クレーム対応費用保険(業務妨害等対応費用保険)について

介護・福祉事業者が、利用者側から過大な要望や迷惑行為等を受けた際に、円滑な解決に向けての法的アドバイスを行う事業者向け無料相談サービスと、解決のために事業者が要した弁護士費用を補償するクレーム対応費用保険が大手損害保険会社から発売されています。クレーム対応費用保険または業務妨害等対応費用保険などと呼ばれています。当事務所でも保険対応可能ですので、ご相談ください。

■保険の内容

名称:業務妨害等対応費用保険
加入者:医療・介護・福祉等の事業者
補償対象者:事業者およびその役職員
目的:本保険は、補償対象者が利用者や近隣住民等の第三者から過大な要望を受けた場合に、法律に則った早期の円満解決を支援することを目的としています。保険金の支払い対象となる弁護士費用は弁護士への相談料、着手金、報酬金、手数料、訴訟費用 等があります。

■保険の特徴(弁護士費用が補償されます)

①業務妨害行為対応に関する専門相談窓口の設置されています。
 加入者は、保険会社が指定する専門相談窓口による無料相談アドバイス等のサービスを受けることができます。
②専門相談窓口が当事者間での解決困難と判断した事案は、弁護士費用を補償されます。
  保険会社の承認のもと、弁護士による法的対応を行う場合に、補償対象者が負担する弁護士費用が保険金として補償されます。

■保険の対象となるクレーム行為とは

クレーム行為とは、 被保険者の業務に対して、他人が被保険者に暴行、脅迫、強要、威力、セクシュアル・ハラスメント、不退去、偽計、風説の流布を行うことをいいます。
このような 被保険者が被ったクレーム行為について、弁護士に委任することによって発生する相談料、着手金、報酬金、手数料、訴訟費用および偶然な事故に対応するために要した実費で、必要かつ有益な費用が保険から支払われることになります。ただし、顧問料は含みません。保険金支払いにあたっては、保険金が支払われない免責事由もありますので、注意が必要です。

■想定される主な業務妨害事例 

・職員の対応に腹を立てた利用者の家族が、施設内で大声で罵倒し業務に支障が生じた。
・デイサービス利用者が、サービスが終了したにもかかわらず、過度な追加要求を行い、次の利用者がサービスを受けられない状況が度々生じている。
・ある利用者が女性職員に抱きつく等、セクシュアル・ハラスメントにあたる問題行為を再三繰り返している。
・保育所に対して、近隣住民から「園児の声がうるさい」と過度に苦情が申立てられ、業務運営が阻害された。
・保育所に対して、自身の子供が不当に差別されていると保護者から苦情が入り、対応に多大な時間を要した。

この記事を書いた人

弁護士多田大介

代表弁護士 多田 大介

依頼者との信頼関係を第一に考え、信頼関係に基づき、迅速なサービスを提供致します。おかげさまで大阪弁護士会に弁護士登録して今年で17年目です。趣味はSFやホラーなどの海外ドラマを見たり、歴史の本を読むことです。
代表弁護士 多田大介(登録番号31516)