相続財産から葬儀費用を出すことの可否

葬儀費用は、相続開始後に生じた債務ですので、本来的には相続人間で協議して負担方法を決めるべきものですが、裁判例では実質的な祭祀主宰者(いわゆる喪主)が負担すべきものとされています。葬儀費用には、通夜、告別式、火葬のために必要な費用が含まれます。

ただし、香典は葬儀費用など遺族の経済的負担の軽減などを目的とする祭祀主宰者や遺族への贈与と考えられますので、葬儀費用にはまず香典(香典返分は除きます)を充てることになり、裁判例に従えば不足分については喪主が負担することになります。
ただ、葬儀費用が巨額に及ぶなどの理由で喪主が不足分を負担しない場合で、その不足分を相続財産の中から支払いたいとしても、原則として相続人全員の合意が必要となってきます。合意ができれば、被相続人の預金や現金から支払われることになります。

したがって、相続人全員の合意がないと相続財産から葬儀費用を出すことはできないということになります。

この記事を書いた人

弁護士多田大介

代表弁護士 多田 大介

依頼者との信頼関係を第一に考え、信頼関係に基づき、迅速なサービスを提供致します。おかげさまで大阪弁護士会に弁護士登録して今年で17年目です。趣味は読書で、最近は中国関係の歴史書を読んでいます。
代表弁護士 多田大介(登録番号31516)